インパルス応答関数とは、複数の要因(変数)が影響しあっている時系列分析に用いられる手法のひとつで、ある変数にショックを与える(値を変動させる)と、それが他の変数に与える影響を分析することができます。主に工学分野で利用されていますが、ファイナンスやマーケティングでも応用されます。
例えば、円/ドルの為替レートに対して何らかのショックがあった場合、そのショックによって円/ドルの為替レートはもちろん影響を受けますが、同時にユーロ/ドルの為替レートにも影響を与えることが考えられます。このようなあるショックが、他にそのような影響を与えるのかなどを分析する際、インパルス応答関数が活用できます。
下の図は、フランスの株価収益率の変動とフランスの値の変化に対応する日本の株価収益率の変動を表しています。フランスの株価収益率が1.1%上昇したら、1日後の日本の株価収益率は0.45%上昇し、2日後以降には影響を与えないということが推測されます。
このようにインパルス応答関数を用いると、ある値が変動した際に、それに関連する値が受ける影響の大きさと期間を可視化することができます。
マーケティング分野であれば、インパルス応答関数の活用によって広告効果の測定やコロナの影響に対する売上や来店数の変動を分析して可視化することができるようになります。
インパルス応答関数や時系列分析の活用にご興味のある方、詳しい説明が必要な方はこちらからお気軽にお問合せください。